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サザエさんうちあけ話

サザエさんうちあけ話(表紙).gif

 

昭和時代からの私の愛読書である。サザエさんの原作者の長谷川町子さんの自伝エッセイで、NHK朝の連ドラにもなっている。私の大学時代の1979年に出版された本だが、3年前に朝日新聞出版から当時と全く同じサイズで復刻版が刊行されている。

単なる自伝ではなく、人としてあるべき姿がさりげなく描かれていて、今日に至るも人生の副読本として読み返している。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 19:40
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ノルウェイの森



人それぞれ読後の感想は異なると思うが、私の場合、青春期に親友と恋人が自ら命を絶ってしまった主人公が、「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」と気付くところにこの作品の主題があるように感じた。

物語は1969年から70年という設定で、主人公の学生時代の回想というスタイルで描かれている。あくまでも物語、と言ってしまえばそれまでだが、主人公は私の経験とはまったくかけ離れた学生生活を送っている。東京で暮らす多くの大学生がこの主人公のような学生生活を送っていたのだとすれば、私の学生時代は限りなく無為無策なものであり、そして何もかもが中途半端であり、漠然とそんな日々を過ごしていた自分の学生時代が悔やまれる。

それにしても、主人公を取り巻く人物のキャラクター、そしてありそうでない場面展開とそれらの描写はさすが村上春樹だ。またこの作品は文章が比較的平易なので最後まで一気に読むことができた。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 19:30
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新宿ゴールデン街

浅田次郎さんの短編小説『角筈にて』を読む。映画化もされた小説だが、そのヒューマンドラマ的なストーリーはさておき、舞台として登場した「新宿ゴールデン街」に懐かしい響きを覚えた。

東京で学習塾の講師をやっていた頃、塾の帰りによくこの街を歩いた。私が行く店は上品な和装の女将が一人でカウンターの中にいるバーで、いつも角瓶の水割りを注文した。居酒屋で1次会をしたあと流れてくるようなお客は皆無で、いつも静かな雰囲気でお酒が飲めた。
千葉に引っ越したあとはゴールデン街に通うこともなくなったが、後年再び訪れてみると、バブル期の地上げで街の様相が変わっており、その店も閉じられていた。それ以来、ゴールデン街に行ったことはない。

しかし、今ネットで調べてみると、ゴールデン街にかつての賑わいが戻ってきているようだ。かつての客が店のオーナーになっているケースもあるという。上京して時間がある時、一度行ってみようと思う。レトロな店で酒を飲んでノスタルジーに浸るのも悪くない。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 23:16
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

単行本表紙

物語の中の語彙力・文章力はさすが村上春樹だ。また物語の「終わり方」も1Q84と同様、読者にその先を想像させるグレーな結末になっている。

物語の設定の中で、どうしても(いくらなんでも)無理があるだろう、それはちょっとおかしい
だろう、という設定が一つだけあった。しかしそれも、村上春樹の「仕掛け」であると考えればそれもまた一興だ。久しぶりに村上文学を満喫した。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 23:28
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1Q84



実は村上春樹氏の本を読んだのはこれが初めてだ。私が買ったのは文庫本だが、BOOK1前編からBOOK3後編まで全6冊で約2400ページにもなる長編小説である。
普段まとまった読書時間が取れないので、読み終えるまで1ヶ月以上を要してしまったが、今までにない「読み手を引き付ける」小説だったと思う。純粋にストーリーが面白かったので、最後まで飽きずに読むことができた。
『人間、時の流れに身を任せてしまったら得られる幸福も逃げていってしまう。ここぞ、と決めた時には勝負をかけ行動する、仕事も愛も』ということを教えてくれるような内容だった。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 23:20
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら



発売わずか6ヶ月でミリオンセラーになった岩崎夏海さんの小説である。少女コミックのような表紙に惑わされがちだが、内容は硬派で、弱小野球部の女子マネージャーがピーター・F・ドラッカーの著書を読んで、マネジメントを実践しながら甲子園を目指す青春小説である。

文章が実に平易である。私のような活字の苦手な者でも二日で読むことができた。荒唐無稽なストーリーであるが、それゆえ面白いのかもしれない。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 23:50
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