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調査研究

 

例年、先進地の視察や展示会の見学、各種講習会の受講を行い、その見聞を参考にして議論をさせていただいているが、今年はコロナ禍の影響で県外に出向いての視察研修を行うことは厳しい状況だ。テレワークで調査研究することはある程度可能であるものの、実際に現地に足を運び担当の方から生のお話を伺うのとは雲泥の差がある。当面は厳しい状況が続くが、議員活動のための勉強はしっかりと行わなければならないと思う。

author:辻ひとし, category:調査・研究活動, 11:48
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水素社会実現に向けた経済産業省の取り組み

引き続き経済産業省の担当官から水素社会実現に向けた経済産業省の取り組みについてレクチャーを受ける。

レクチャーをしてくださった資源エネルギー庁電力・ガス事業部の担当官によれば、環境とエネルギーセキュリティをともに解決する水素は、日本にとって究極のエネルギーになるだけでなく、水素エネルギーに関して、その技術力で日本は世界のトップを走っていて、日本発の技術で世界のエネルギー構図を変えることができるとの見解を示していた。既に日本国内において水素エネルギーは実用化されており、自動車やバスのほか、家庭用給湯器が30万台普及しているとのことである。

今後水素社会を実現するための課題として、水素製造技術の開発・実証や海外からの水素輸入網の構築、製造した水素の輸送と貯蔵体制の整備、利用範囲の拡大など供給と利用の両面における取組の必要性を挙げていたが、根本的には供給コストを天然ガス並みに低減しないと普及・商品化は厳しいという印象を受けた。

また担当官からはエネルギー研究開発モデルの取り組みとして、福井県敦賀市のハーモニアスポリス構想を紹介していただいた。

原子力発電や火力発電だけでない「エネルギーの多元化」を目的としたプロジェクトで、再生可能エネルギー由来水素ステーション開発プロジェクトとリサイクル水素製造プロジェクト、高効率水素エンジン利用ドローン研究開発プロジェクトの3つで構成されている。敦賀市にはエネルギー関連産業が多いのが強みで、水素エネルギー政策を取り込んだ地場産業による地域振興に成り得るとのことだった。ただ構想実現のためには、原子力発電のように国が先導して取り組んでいかなければ容易ではないと感じた。

author:辻ひとし, category:調査・研究活動, 23:48
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再生可能エネルギー政策の動向について

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会派の議員4名で上京。衆議院第2議員会館で資源エネルギー庁の担当官から再生可能エネルギーと水素エネルギーについて、その現状と今後の動向についてレクチャーを受けた。

再生可能エネルギー政策の動向については、2018年7月に閣議決定された国の第5次エネルギ基本計画において、「再生可能エネルギーの主力電源化」を目指すことを明確化し、中長期的には、再生可能エネルギーを他の電源と比較して競争力のある水準までのコスト低減とFIT制度(固定価格買取制度)からの自立化を図り、日本のエネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源にしていくことが盛り込まれている。

そのための課題として、国際水準を目指した徹底的なコストダウンや洋上風力のための海域利用ルールの整備、競争力のある蓄電池の開発などを挙げている。また卒FIT太陽光を契機に、投資回収が済んだ住宅用太陽光発電設備の余剰電力を自家消費に回す需給一体型の構築や再エネに対する継続的な新規投資が生まれる事業環境が醸成されていくことが期待される。特に需給一体型が地域ぐるみで実践されれば、災害発生時において自立運転機能を活用し、停電時においても電力利用の継続が可能になる。

次に洋上風力発電について、海域利用に必要なルールを定めた再エネ海域利用法が本年4月に施行されたことが洋上風力発電の促進につながり、その関連事業で地域経済への波及効果が期待されるとのことだった。

また、再生可能エネルギーが主力電源になるためには、将来的にFIT制度による政策措置がなくとも、電力市場でコスト競争に打ち勝って自立的に導入が進み、規律ある電源として長期安定的な事業運営が確保されなければならない一方で、再生可能エネルギーには、地域の活性化やレジリエンス強化に資する面もあることから、地域で活用される電源としての事業環境整備(地域で発電した電気は地域で使う仕組み)づくりが重要になってくる。

再生可能エネルギーを責任ある長期安定電源とするためには、安全性の確保や地域との共生などが図られるよう、適正な事業規律が確保される事業環境を整備する必要があると考える。

author:辻ひとし, category:調査・研究活動, 23:30
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