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ノルウェイの森



人それぞれ読後の感想は異なると思うが、私の場合、青春期に親友と恋人が自ら命を絶ってしまった主人公が、「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」と気付くところにこの作品の主題があるように感じた。

物語は1969年から70年という設定で、主人公の学生時代の回想というスタイルで描かれている。あくまでも物語、と言ってしまえばそれまでだが、主人公は私の経験とはまったくかけ離れた学生生活を送っている。東京で暮らす多くの大学生がこの主人公のような学生生活を送っていたのだとすれば、私の学生時代は限りなく無為無策なものであり、そして何もかもが中途半端であり、漠然とそんな日々を過ごしていた自分の学生時代が悔やまれる。

それにしても、主人公を取り巻く人物のキャラクター、そしてありそうでない場面展開とそれらの描写はさすが村上春樹だ。またこの作品は文章が比較的平易なので最後まで一気に読むことができた。

author:辻ひとし, category:最近読んだ本, 19:30
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