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横綱輪島

 

元横綱輪島の輪島大士さんの葬儀・告別式が東京・港区の青山葬儀所で営まれた。日本相撲協会の八角理事長や大相撲解説者で元横綱の北の富士勝昭氏、プロ野球巨人の原辰徳前監督、アーティストのデーモン閣下、元ボクシング世界王者具志堅用高氏ら約300人が参列したとのこと。

 

とにかく異端児だった。学生相撲から角界に入り、長くなってきた髪にパーマをかけたのが印象的だった。どちらかと言えば古い習慣の残る相撲の世界で、当時としてはあり得ないことだったと思う。恐らく今もそんな力士はいないのではないだろうか。

また輪島と言えば「黄金の左」と呼ばれた強烈な左下手投げというイメージが先行するが、「憎らしいほど強い」と言われた北の湖を苦しめたのは「いぶし銀の右」と呼ばれた右からの絞りだった。今の若い記者さんはそれを知らないのだろうか、どのメディアも「黄金の左」ばかりを取り上げていた。当時の蔵前国技館で両者の対戦を実際に見たオールドファンとしては寂しい限りだ。

 

輪島と北の湖の対戦において立ち合いでの待ったを見たことがない。いつも輪島が左下手を取り北の湖が右上手を取りに行くという毎回絵に描いたように同じ立ち合いだった。お互い自分も十分だが「相手も十分な態勢」で相撲を取った。勝負に勝つためには「自分十分・相手不十分」という態勢が当たり前の土俵にあって、あの二人の相撲は違っていた。本当に見ごたえがあった。私が相撲ファンになったのも輪島と北の湖の存在があったからだ。

 

今の現役力士に望むことは、ライバル同士が最後まで白熱した優勝争いを展開し、千秋楽結びの一番で両雄が対決するようなスリリングな相撲を見せてほしいということに尽きる。もちろん、自分十分・相手不十分という相撲ではなく、輪島と北の湖のような両者十分の態勢での勝負であってほしい。

author:辻ひとし, category:訃報, 20:11
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